電力業界では「送配電網」という単語がある。
送電線は個々として働いているように見えるが、電柱を介して電気は広がっていく。
点や線ではなく巨大な一つのグリッド・網として電柱電線は機能する。しかし、送電線が一本でも切れてしまうと地域一帯が停電になってしまう事態もある。
電柱の上を送電線が通っている光景は、他人との関係をはっきりと表したいように見え、SNSで知り合いや多くの人と繋がりたいといった感情のようにも映る。
そのように街を見ると電柱電線は常に他人と繋がり続ける現代人の姿を現しているのではないのだろうか。
他人との直接的な繋がりが減っている現代において、電柱電線の存在は人間が抱える取り残されたくない思いに対するメタファーなのかもしれない。